【保全担当者必見】潤滑油管理~定期的な油の性状診断~

2024年04月19日

設備の安定稼働のためには日常点検に加え、定期的に油の性状を診断することも大切です。油の分析項目は多数ありますが、油種、対象の設備、汚染の度合いで適切な分析項目を選択しましょう。

潤滑油の分析項目

一般的な分析項目は次の通りです。(油圧作動油の場合)

サンプル採取時の注意点

正しいデータを得るためにはサンプルの採取に注意を払う必要があります。


採取場所

汚染度はサンプルをどこから採取するかで変わってくるため採取場所は重要です。
タンクの構造によって最適なサンプリング箇所は異なります。循環システムを有するタンクの場合は潤滑油が機械を通じて循環するため、システムの循環ライン、特にポンプの出口近くで採取することで、システム全体を通過した油の状態を把握できます。
より正確なデータを得るためにはタンクの構造にあった採取を行ないましょう。

採取の手順

配管に溜まった夾雑物や大気中の埃がサンプル油に混入しないよう、採取する手順も注意が必要です。

準備
  • クリーンなサンプル容器と油受け容器を用意
安全対策
  • 適切な保護具(手袋、保護メガネなど)を着用
  • 機械が安全な状態にあることを確認
採取箇所の清掃
  • サンプル採取箇所を清潔にし外部からの汚染を防ぐ
サンプル採取
  • 配管に溜まった夾雑物などによる汚染を避けるため、最初に出た油は油受け容器に受ける
  • その後の油をサンプル容器に採取
サンプル容器の扱い
  • 採取が終わったら即座にサンプル容器の蓋を閉める
  • サンプルが外部環境によって汚染されないように保管
ラベリング
  • 容器にはサンプル採取の日時、採取箇所、機械の識別情報などを明記
サンプルの保管
  • 分析が行なわれるまでにサンプルが変質しないよう清潔で安定した場所に保管

アメロイドの油分析サービスのご案内

アメロイドには分析センターがあり、装置導入前の効果確認はもちろん導入後のお客様の油の状態も分析いたします。油分析のプロが汚染度などの各種分析を正確かつスピーディーに行ない、装置の活躍のためでなくお客様の設備が良い状態であり続けられるようお手伝いいたします。


次回予告

次回の記事では、潤滑油の劣化や汚染が原因で起こる設備トラブルを未然に防ぐための改善対策をご紹介します。
浄油機や油水分離機の導入事例も掲載しますので、ぜひご覧ください。
続きの記事はこちら⇒【保全担当者必見】潤滑油管理~設備トラブルを未然に防ぐための5つの改善対策

フィルタ
特徴

ミクロンオーダーのフィルタで油や水といった液体から夾雑物を除去。

フィルタ
用途

作動油、潤滑油、水グリなどの浄化。

製品詳細はこちら
遠心分離機
特徴

回転で生まれる遠心力で比重の異なる物質を分離。
回転が速いほど精度が上がり細かな物質を回収できる。

用途

焼入油、クーラント、塗装ブースの浄化。

製品詳細はこちら
油水分離機
特徴

遠心式:遠心力で油と水の比重差を利用して分離。
ドライ式:油に乾燥空気を吹き込み、水を取り込み回収。
コアレッサ式:ろ材に水または油を吸着させ粗粒化して回収。

油水分離機
用途

洗浄液、圧延油、防錆油などの浄化。

製品詳細はこちら
排水処理装置 製品詳細はこちら
排水処理装置
特徴

遠心式:遠心力と比重差を利用し廃液から夾雑物や油を回収。
減圧蒸留式:真空を作り沸点を下げ、少ない熱量で蒸留し廃液を減容。
脱水乾燥式:遠心機で回収した有価物を薄く延ばし少ない熱量で乾燥。
フィルタ式:水に含まれる有機物を吸着してBODを下げる。

排水処理装置
用途

食品工場の排水一次処理による生物処理の負荷軽減、自社で処理できない廃液の減容、めっき工場のスラリーをパウダー化し、有価物回収など。

製品詳細はこちら
切粉脱水システム 製品詳細はこちら
切粉脱水システム
特徴

切粉に付着した切削油や切削液を分離除去。
破砕機やコンベアなどと組み合わせた一連のシステム化を提案可能。

用途

アルミ、鋳物、真鍮、銅などの各種金属切粉の脱水。

製品詳細はこちら
クーラント掃除機 製品詳細はこちら
クーラント掃除機
特徴

クーラントタンクの掃除に特化した装置。
タンクの液抜き不要。
水溶性・油性どちらにも対応。

用途

クーラントタンクの堆積物回収。
クーラント液の浄化。

製品詳細はこちら