【保全担当者必見】潤滑油管理~設備トラブルを未然に防ぐための5つの改善対策 | 株式会社アメロイド

【保全担当者必見】潤滑油管理~設備トラブルを未然に防ぐための5つの改善対策

2024年05月02日

油分析の結果、油の劣化や汚染が著しい場合、設備に重大なトラブルが発生する前に改善対策を講じる必要があります。

 

改善対策1:潤滑油汚染防止のための設備改善

油の汚染を防ぐためには、汚染の侵入源、発生箇所を把握し、適切な対策を施しましょう。

エアブリーザー
機械内部の圧力変動を緩和する役割を持つエアブリーザーは、外部の汚染物質や湿気の侵入経路ともなり得ます。フィルタ付きのエアブリーザーを使用することで、外部からの汚れや水分の侵入を防ぐことができます。また、定期的な点検・交換を行ない、フィルタの詰まりや損傷を防ぎましょう。
給油口
給油時に外部の汚れや水分が侵入しやすい部分です。ストレーナーを設置し、汚染物質の侵入を防ぎましょう。給油時には油を直接注ぐのではなく、清潔な漏斗を使用することで汚染を防止します。また、キャップはしっかりと閉め、ゴム製のシールが劣化していたら交換しましょう。
シール箇所
シールは気密性を高めて漏れを防ぐ役割がありますが、劣化や損傷が生じると、シールの効果が低下し、汚染物質が内部へ侵入するリスクが高まります。シールの素材の耐油性を確認し、相性の良いものを使用しましょう。
オイルクーラー
オイルクーラーは、潤滑油を冷却するために使用されます。多くのオイルクーラーは、冷却水と潤滑油が別々のチャンバーを流れることで熱交換を行います。ただし、冷却水が潤滑油の側に漏れ出す可能性があります。オイルクーラーの劣化や損傷の有無を定期的に確認し、必要に応じて部品の交換を行ないましょう。
オイルタンク
タンク内壁に錆や腐食、塗料の剥離があると、これが汚染源となります。必要に応じて内壁を再塗装するなどの改善が必要です。
ポイント
タンク内に侵入、発生してしまった汚染物質や水分はできるだけ早い段階で取り除くことが大切です。対策としては更油、適油への変更、侵入経路の特定、浄油機や油水分離機の設置があります。

改善対策2:適切な更油周期管理

油の使用時間や状態、機械の稼働時間や動作状態などの指標を総合的に判断し、状況に応じて更油が必要です。過去のトラブルを鑑みて更油周期を検討しましょう。最低でも5年に1回は油を抜いてタンク清掃をした方がよいでしょう。

 

改善対策3:適油への変更

機械の使用条件や環境が変化した場合、これまで使用していた油が最適ではなくなることがあります。このような場合は、適切な性能を持つ油への変更を検討する必要があります。

改善対策4:汚染物質の侵入経路特定と遮断

汚染物質や水分が短期間で大量に増加した場合、更油をしてもすぐに油の状態が悪化してしまいます。油の状態変化は機械の動作不良に直結するため、このようなケースでは汚染物質や水分の侵入経路を特定し、経路を塞ぐ対策が必要です。

改善対策5:浄油機や油水分離機の設置

既に混入してしまった汚染物質や水分を除去するには更油も一つの手法ですが、天然資源を循環してその消費を少なくしようという取り組みがSDGsで推奨されている今、浄油機や油水分離機の設置が効果的です。優秀なフィルタや油水分離機の設置は、汚れた油を新油と変わらない状態に回復し、それを保持することが可能になります。常に油が新油と同等の状態に維持されれば設備の寿命は延命化され、また油の消費量を減らすことは維持費削減と共に循環型社会の実現にも貢献します。

CJCフィルタを用いた浄化事例

「CJCフィルタ」は、深層ろ過タイプの長寿命なフィルタを使用しており、ミクロンレベルの固形分だけでなく水分も除去し、作動油を常に新油相当の状態に維持することができます。60年以上の実績を誇り、自動車、自動車部品、建機、製鉄、製紙、エネルギー、船舶など、あらゆる業界における機械油の浄油装置として100,000台以上の導入実績を誇ります。

CJCフィルタでの油圧作動油浄化事例

遠心ドライ装置MJ型を用いた浄化事例

「遠心ドライ装置MJ型」は、アメロイド独自の除水機能を有した他に類を見ないオリジナルの浄油装置です。水が混ざり込んで白濁した油から高効率で除水し油に透明感を甦らせます。今まで色々と試して油がキレイにならなかったお客様から特に絶大な信頼をいただいております。

 

遠心ドライ装置MJ型での浄化事例

遠隔監視と充実のアフターサポート

設備の安定稼働と延命化は油を新油と変わらない状態に維持することで実現します。せっかく導入した浄油機も性能低下や故障で停止してしまうのは大変もったいないことです。

アメロイドではフィルタや油水分離機がその能力を発揮し続けるために、定期的な点検や消耗品の交換、メンテナンスを丸ごと請け負い、設備の安定稼働に努めます。 また、圧力や温度、電流値、液面などを遠隔で24時間監視する標準装備「AMEROID CHANNEL(アメロイドチャンネル)」は、浄油機に留まらず設備の状態も監視可能。お客様の作業負担の軽減はもちろん、トラブルの未然回避や維持費削減なども実現します。

アメロイドでは装置導入後のアフターサポートが充実しており、液体浄化はもちろん、設備の安定稼働、作業工数や維持費削減などお客様に最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

次回予告
次回の記事では、潤滑油管理における課題の一つである『廃油の処理業務』について、~環境に配慮したものづくり「廃油を出さない運用」~と題してお伝えします。昨今、環境に配慮したものづくりは企業活動に欠かせない要素となっていますので、ぜひご覧ください。
続きの記事はこちら⇒【保全担当者必見】潤滑油管理~環境に配慮したものづくり「廃油を出さない運用」~