アメロイドの製品紹介
食品工場では、調理や洗浄などの工程で大量の排水が発生します。この排水には、油分や食品残渣などの有機物が多く含まれており、そのまま放流してしまうと水質汚濁につながり、環境への負荷を高めてしまいます。さらに、排水基準を超過した場合は罰則や操業停止などのリスクもあるため、確実な処理が求められます。
アメロイドでは、こうした食品工場特有の排水処理課題に役立つ装置をラインアップしています。「遠心脱油機UB型」は、遠心力によって排水中の油分や微細な夾雑物を効率的に除去し、後工程の排水処理施設が常に本来の処理能力を発揮するのに役立ちます。
食品工場の排水から油分と夾雑物を高効率に除去する装置
食品工場の排水処理では、まずスクリーンやバスケットで食品残渣などの粗ゴミを取り除き、続いて油水分離槽(グリストラップなど)で油・水・固形分を比重差によって分離するのが一般的です。
しかし、比重差を利用する自然分離方式では、排水に混ざり込んだ油分や微細な固形分を完全に取り除くことが難しく、これらが後工程へ流入すると、処理負荷の増大や設備トラブルの原因になります。
こうした課題に有効なのが、遠心力を利用した物理分離です。排水を高速回転する回転体に投入することで、油分や固形分を短時間で効率的に分離・除去できます。
アメロイドの遠心脱油機UB型は、分速4,000回転による強力な遠心力により、浮上油はもちろん、排水に混ざり込んだ油分や微細な固形分まで高精度に分離。油分・固形分ともに全自動で排出するエコ仕様です。さらに、複数台を組み合わせることで処理能力を拡張でき、排水量の多い現場にも柔軟に対応します。
UB型は、後工程の排水処理施設が安定して本来の処理性能を発揮できるようにします。
グリストラップ排水

食品工場の排水処理について
食品工場の排水処理で重要となる水質指標
排水処理を適切に行なうためには、まず水質の状態を正しく把握することが大切です。
ここでは、食品工場の排水管理でよく使われる主な水質の指標をご紹介します。
BOD(生物化学的酸素要求量)
微生物が水中に含まれる有機物を分解する際に必要な酸素量を指します。食品排水には、油分や有機物(食品残渣、糖分、タンパク質など)が含まれているため、BOD値が上昇しやすくなります。
COD(化学的酸素要求量)
酸化剤で水中の有機物を分解する際に必要な酸素量を指します。油分や食品残渣が含まれるとCOD値が上昇し、特に油分は水中で分解されにくいため、COD値が高くなる要因となります。
ノルマルヘキサン抽出物質(油分濃度)
排水中の油分濃度を示す指標です。油脂を多く含む排水では値が上昇します。
SS(浮遊物質)
水中に浮遊している固形物の濃度を指します。食品残渣が多く含まれるとSS値が上昇します。
食品工場の排水処理の一般的な工程
食品工場の排水処理は、主に次の4段階で行なわれます。
① 予備処理:スクリーンなどで、食品残渣などの大きな固形分を取り除きます。
② 一次処理:油水分離槽(グリストラップなど)で油分や固形分を浮上・沈殿させます。
③ 二次処理:活性汚泥法など、微生物の働きを利用して有機物を分解します。
④ 三次処理:水質をさらに向上させるため、凝集剤などによって汚濁物質を沈殿させます。
このように、法令で定められた放流水質基準を満たすため、多段階の処理によって排水を段階的に浄化します。
食品工場の排水処理でよくある課題
食品工場の排水は、生産品目や生産量の変化によって水質が変動しやすく、油脂分や有機物の濃度が高いという特徴があります。
このため、一般的な産業排水と比べて処理が不安定になりやすく、以下のような課題が発生します。
1. 処理の不安定と基準超過のリスク
水質が変動すると、生物処理などへの負荷が増加し、処理精度が安定しなくなります。その結果、BOD・COD・油分濃度・SSなどの水質基準を超過してしまうおそれがあります。
2. 微生物の活性低下
油脂分や有機物の濃度が高いと、生物処理の能力を超えてしまうことがあります。特に油分は、槽内で浮上して泡状のスカムを形成したり、微生物を取り囲んだり、酸素の供給を妨げることで微生物の働きを弱めたり死滅させたりする原因となります。
3. 油脂分の固形化
冬場など気温が低い時期には、排水中の油脂分が固まりやすくなります。これにより、オイルボールの形成や配管の詰まりが発生し、作業負担の増加や悪臭の発生につながることがあります。
4. 汚泥の増加
油分や有機物を多く含む排水では、微生物の増殖によって余剰汚泥が大量に発生します。汚泥の脱水・乾燥・運搬など、汚泥の処理には大きなコストがかかり、凝集剤などの薬剤費を含めた処理コスト全体は、排水中の油脂分や有機物の濃度が高いほど増加する傾向にあります。
5. 作業負担と人手不足
熟練スタッフの高齢化や人手不足により、油水分離槽からの油脂の掬い取り作業など、日常的な管理作業が大きな負担となっています。現場の省力化・自動化が求められています。
一次処理による負荷軽減の考え方
食品工場の排水処理を安定させるためには、二次処理に油分や有機物をできるだけ持ち込まないことが重要です。
油水分離槽(グリストラップなど)で取りきれない油分や微細な固形分を一次処理で除去することで、
・生物処理の負荷軽減
・薬剤コストの削減
・水質の安定化
といった効果が得られます。
この一次処理で有効な手段が「遠心力」です。比重が違うものが自重で自然に分離する現象と比較し、遠心力を利用した遠心脱油機UB型は、分速4,000回転の高速回転が生む、その強力な遠心力で油分や固形分を短時間で効率的に分離・回収し、自動で排出します。
よくあるご質問
- 生物処理槽にかかる手間は、微生物のバランスだけでなく、上流からの油分流入が大きく影響します。 分離しきれなかった油分が槽内に入ると、油膜が酸素の供給を妨げ、微生物が十分に呼吸できなくなります。 また、油分が微生物や装置に付着すると、栄養の摂取や曝気効率も低下し、処理性能が不安定になります。 見た目には生物処理槽が安定していても、実際は混入油分の多さが原因で手間がかかっているケースが多く見られます。
- グリストラップや油水分離槽は、排水中の油分や食品残渣を取り除く重要な設備ですが、油脂やスラッジが溜まりやすく、定期的な清掃や回収作業の負担が大きいのが現場の課題です。清掃を怠ると分離性能が低下し、悪臭や詰まりの原因にもつながります。 この負担を軽減する方法として、油分や固形分を遠心力で固まる前に連続的かつ効率的に分離し、自動で排出できる遠心脱油機UB型の導入が効果的です。手作業での清掃頻度を減らしながら、安定した処理を維持することができます。
- 冬場は気温の低下により、排水中の油脂分が固まりやすくなります。この固った油分が配管や槽の内壁に付着すると、流路が狭まり、流量の低下や詰まりの原因になります。特に食肉加工など動物性の油脂が多く含まれる製造現場では、冬場のトラブルが発生しやすい傾向があります。 このようなトラブルを防ぐには、油分が固まる前に上流でしっかり除去することが重要です。遠心力で油分を効率的に分離する遠心脱油機を導入することで、冬場特有の詰まりや流量低下のリスクを大幅に抑えられます。 また、アメロイドの遠心脱油機はヒーターやボイラーのエネルギーを活用して加温する設計も可能で、油脂が固まりやすい環境でもしっかりと対策を行ないます。
- 今ある処理方式を大きく変えなくても、前処理の精度を高めることで処理負荷を軽減することができます。 特に生物処理槽の不調や薬剤使用量の増加は、上流で油分や固形分を十分に除去できていないことが原因で起こることが多くあります。 油分や微細な残渣を遠心力で効率的に除去する遠心脱油機を前処理に組み合わせることで、既存の処理槽への負荷を抑え、設備全体の安定運転につなげることが可能です。
- アメロイドでは、装置の導入前に、実液を使ったラボテストや現場での実機持ち込みテストを行なうことが可能です。 排水の性状は工場ごとに大きく異なるため、事前に処理効果や分離性能を確認することで、導入後のトラブルや想定外の結果を防ぐことができます。テスト結果をもとに、最適な仕様や運転条件をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
食品工場の排水処理でお困りの場合はアメロイドにご相談ください
排水処理の不安定化や清掃作業の負担など、食品工場の排水処理にはさまざまな課題があります。
多くの場合、その原因は上流での油分・残渣除去が不十分なことにあります。
アメロイドでは、遠心力によって油分や夾雑物を効率的に除去する遠心脱油機UB型により、既存設備を活かした処理の安定化を実現します。
現場の課題に合わせた最適な運用をご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
資料セット無料ダウンロード
液体洗浄に関する資料を無料で
ダウンロードいただけます。

- フィルタ:用途に適したフィルタをお選びいただけます。
- 遠心分離機:用途に適した回転速度をお選びいただけます。
- 油水分離機:様々な形式の油水分離機を用意しております。

お電話でのお問い合わせ
ご質問やご要望などお気軽にご相談ください。
- 横浜
- 045-681-5968
- 東京
- 047-409-6130
- 名古屋
- 0566-28-7170
- 神戸
- 079-427-1361
- 福山
- 084-933-2457
- 福岡
- 092-517-3715
お問い合わせ
ご質問やご要望などお気軽にご相談ください。
- 横浜
- 045-681-5968
- 東京
- 047-409-6130
- 名古屋
- 0566-28-7170
- 神戸
- 079-427-1361
- 福山
- 084-933-2457
- 福岡
- 092-517-3715








