油から水分を取る場合は遠心ドライ装置MJ型がおすすめ
ドライ方式

遠心ドライ装置MJ型は、 アメロイド独自の除水機能「ドライ方式」と遠心分離技術を組み合わせた油用浄化装置で、水分が混入して白濁した油から高効率で除水します。さらに除水と同時に油中の微細な夾雑物も固形化して回収することができます。
MJ型は浄水能力に優れた装置で、一般的な高精度フィルタでは水分値2,000ppm程度の除水が限界ですが、遠心ドライ装置MJ型なら1,000ppm以下まで除水が可能で、白濁した油も透明感が甦ります。

液体から油分を取る場合は遠心脱油機WF型がおすすめ
高速遠心分離

洗浄液に油が混入すると、本来は比重差で浮上するはずの油が、界面活性剤の作用によって微細に分散し、時間をおいても分離しにくくなります。このようなエマルション(乳化)状態の油は、自然沈降や一般的な油水分離槽では除去が困難です。
遠心脱油機 WF型は、こうしたエマルション状態の油分を10,000Gの強力な遠心力で強制的に分離する高速遠心分離機です。液中に分散した油分を効率的に除去し、白濁した液体に透明感を取り戻します。
さらに、油分とともに液中の微細な夾雑物も同時に除去できるため、液の清浄度を高く維持し、液の長寿命化と安定した加工品質に貢献します。

エマルションの分離について
エマルションとは何か
エマルション(Emulsion)とは、本来は混ざり合わない水と油が細かい粒子状になって均一に混ざった状態のことをいいます。日本語では「乳化」とも呼ばれ、液体が白く濁って見える現象がその典型例です。
この状態は、油と水が混ざっただけでなく、界面活性剤などの働きによって粒子が安定し、分離しにくくなっていることが特徴です。一度エマルションが形成されると、時間をおいても自然に浮上や沈降せず、長時間混ざり合ったままの状態が続きます。
エマルションが発生すると、潤滑油や洗浄液の透明度が失われるだけでなく、潤滑性・防錆性・冷却性などの性能が低下し、設備のトラブルや処理コストの増大を引き起こすことがあります。
エマルションが発生する原因と現場例
エマルションが発生する主な要因は、液体が強くかき混ぜられることや界面活性剤の影響です。
例えば、ポンプ圧送や攪拌などで液体に力が加わると、油が細かく砕かれて水中に分散します。さらに洗浄液やクーラント液に含まれる界面活性剤が水と油の境界面に作用し、表面張力を下げることで油滴が集まるのを防ぎ、液全体が白く濁った状態になります。
このような現象は次のような現場でよく見られます。
金属加工工程
前工程で付着した潤滑油や防錆油がクーラント液に混入。異種油との反応や攪拌によってエマルション化
部品洗浄工程
洗浄液中に製品表面の油分が取り込まれ、界面活性剤の作用で微細に分散しエマルション化
金属プレス工程
潤滑や離型に使用するプレス油が金型洗浄水や冷却水に混入しエマルション化
樹脂成型工程
離型油や潤滑油が冷却水に混入しエマルション化
廃水処理工程
油分を含む廃液が調整槽や曝気槽などで攪拌されエマルション化
エマルションになると分離が難しくなる理由
一度エマルションが形成されると、自然放置ではほとんど分離しなくなります。これは、油や水が単に混ざり合っているのではなく、微細な粒子として安定した状態になっているためです。
撹拌や圧送によって発生したエマルションでは、水や油の粒径が数ミクロン以下まで小さくなっています。粒が小さいほど比重差の影響が弱まり、重力や時間では浮上・沈降がほとんど起こりません。
さらに、洗浄液やクーラント液に含まれる界面活性剤が水と油の境界面に吸着し、表面張力を下げることで、油滴同士が再び集まるのを防ぎます。このため、油と水が長時間混ざり合ったままの安定した乳化状態(白濁状態)となり、通常の油水分離槽やフィルタでは分離できないほどの高い安定性を持つようになります。
このような状態では、重力による自然分離では処理できないため、遠心力などによって強制的に分離する必要があります。
エマルション分離の重要性
エマルションが発生すると、水や油が本来の性質を発揮できなくなり、液体や油の性能低下を招きます。
たとえば、潤滑油では油膜が切れて摩耗や焼き付きが発生し、クーラント液では防錆性・冷却性の低下によって加工品質が不安定になります。その結果、ポンプやバルブの詰まり、機械の故障、部品の腐食など、さまざまな設備トラブルにつながります。
また、乳化した液は処理が難しく、油水分離槽や廃液処理装置の負荷増加、凝集剤やフィルタ交換コストの上昇など、運用コストを押し上げます。分離できない油分がそのまま排出されれば、環境負荷の増大や水質基準の違反リスクにもつながります。
一方で、遠心分離などによってエマルションを的確に分離すれば、次のようなメリットが得られます。
・液や油の性能維持・延命化
・設備の安定稼働と保全コスト削減
・処理負荷・廃棄量の低減による環境改善
一般的なエマルションの解消手段
一度形成されたエマルション(乳化状態)は自然放置では分離しにくいため、主に次のような方法で処理されます。
それぞれに特長と注意点があります。
化学的処理(薬剤添加・凝集)
凝集剤などを加えて油滴を結合させ、浮上分離を促進する方法。ただし、薬剤コストや廃液処理の負担があります。
加熱処理
加温によって粘度を下げ、油と水の分離を促進します。液の性質によって効果に差が出る場合があります。
静置・重力分離
比重差を利用する方法ですが、乳化状態では粒が細かく、実用的な時間では分離できません。
物理的処理(遠心分離など)
外力を利用して強制的に分離する方法で、薬剤を使わず環境負荷が少ないのが特長です。
中でも遠心分離方式は、微細な乳化粒子にも高い効果を発揮します。
アメロイドではこの技術を応用し、油から水分を除去する遠心ドライ装置MJ型と、水性液から油分を除去する遠心脱油機WF型をラインアップしています。
よくあるご質問
- エマルションは、水と油がポンプ圧送や攪拌などで強く混ざることで、油が細かく砕かれ水中に分散して発生します。
さらに、洗浄液やクーラント液に含まれる界面活性剤が水と油の境界を安定化させるため、油滴が再び集まらず、白濁した状態(乳化状態)が長時間続きます。
- エマルション(乳化状態)は、水と油が微細な粒子状に分散しているだけで、完全に化学反応で結合しているわけではありません。そのため、数週間〜数ヶ月といった非常に長期間放置すれば、粒が少しずつ大きくなって浮上・沈降し、わずかに分離する場合もあります。ただし、これは「界面活性剤が弱い・添加剤が少ない・温度変化が大きい」といった特殊な条件下での話で、現場レベルで期待できるスピードではありません。
分離するには、遠心力などの物理的手段で強制的に分けることが効果的です。
- 油中に水分が混ざって白濁している場合は、アメロイド独自技術を採用した遠心ドライ装置MJ型がおすすめです。MJ型は、一般的な遠心分離機とは異なり、独自の「ドライ方式」と遠心分離技術を組み合わせた構造を採用しています。この独自構造により、高い除水効率と安定した処理性能を実現。一般的な高精度フィルタでは2,000ppm程度が限界とされるところ、MJ型では1,000ppm以下まで除水でき、白濁した油に透明感が甦ります。潤滑油・作動油・防錆油など、エマルション状態の油の除水処理に特に効果的です。
- 水溶液中に油分が混ざり、乳化(エマルション)して白濁している場合は、遠心脱油機WF型が最適です。WF型は10,000Gの遠心力で液中の微細な油分を強制的に分離し、自然沈降や油水分離槽では処理できない乳化状態でも短時間で透明度を回復させます。また、油分と同時に液中の微細な夾雑物も除去できるため、洗浄液の長寿命化や加工品質の安定化にも貢献します。
- はい。アメロイドでは、導入前に実液を使ったラボテストや、現場での実機テストに対応しています。「どの装置が最適かわからない」「白濁がどこまで取れるか試したい」といったご要望にも、専門スタッフが丁寧に対応いたします。事前に効果を確認いただくことで、導入後も安心してご使用いただけます。
- アメロイドでは、導入後も安心してご使用いただけるよう、専任のサービスエンジニアが定期的にご訪問し、装置のメンテナンスを行ないます。お客様の負担を最小限に抑えながら、常に装置が最適な性能を発揮できるようにサポートいたします。
エマルションの分離でお困りでしたらアメロイドにご相談ください
エマルション(乳化)は自然分離が難しく、液体の種類や成分によって最適な対策方法も異なります。
アメロイドでは、油中の水分除去に最適な「遠心ドライ装置MJ型」と、水性液中の油分除去に優れた「遠心脱油機WF型」をはじめ、さまざまな液体トラブルに対応できる浄化装置をラインアップしています。
液の性状や課題に合わせて、最も効果的な処理方法をご提案いたします。エマルション分離でお困りの際は、ぜひアメロイドにご相談ください。長年の経験と確かな技術で、問題解決をしっかりサポートいたします。
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- フィルタ:用途に適したフィルタをお選びいただけます。
- 遠心分離機:用途に適した回転速度をお選びいただけます。
- 油水分離機:様々な形式の油水分離機を用意しております。

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