遠心分離機の基礎知識!仕組み・特長を解説! | 株式会社アメロイド

遠心分離機の基礎知識!仕組み・特長を解説!

2022年11月21日

よく聞くことがある「遠心分離機」とはどのような機械で、どんなことに使われているのでしょうか。本コラムでは種類や仕組み、特長など、遠心分離機の基礎知識をご紹介します。

遠心分離機の基本を知ろう

まず遠心分離機の基本を説明します。

「遠心分離」とはなにか?

「遠心分離」とは、遠心力を利用して比重差のあるものを分離することを意味しています。バケツに水を入れて勢いよく振り回すと中の水は落ちてきません。それは遠心力があるからです。この遠心力を活用して、強制的に2種類以上の成分を分離させることを遠心分離と呼びます。

そして遠心分離機とは、高速で回転させることで遠心力を発生させて、個体と液体、液体と液体といった複数の成分や物体を分離させる機械のことを言います。自然に分離させるのが難しい成分や短時間で分離させたい成分がある場合に利用されます。

遠心力とは?

物体に働く遠心力には、回転の中心から物体までの距離(回転半径)と回転の速さが関係してきます。遠心力は以下の計算式で算出することができます

G(Gal:ガル)=r・n2/894(G=遠心効果、n=回転数(r/min) 、r=回転半径(m)

例えば、傘の回転半径が0.7m、回転数が100rpmだとすると、遠心効果は0.7×10022/894=約7.83Gと計算されます。遠心効果は一般的に重力と呼ばれることが多く、地球の重力は1Gとされています。

遠心効果は単位の付かない数値ではありますが、「G」をつけて表現することが一般的です。

遠心分離機では、何Gをかけることができるか?

分離させる成分や物体によって異なってきますが、一般的な用途では2,000G~4,000G、医療分野などでは10,000G以上の遠心力を遠心分離機で発生させています。

遠心分離機の用途

遠心分離機はさまざまな用途で使われており、現代社会には切っても切れないものとなっています。

例えば、浄水場や下水処理場のほか、火力発電やゴミ、し尿といった廃棄物の処理などのインフラで活用されています。また、食品加工や衣料素材といったわたしたちの暮らしに欠かせないものを製造する際に活用されます。

農薬の精製や肥料づくりにも役立っていますし、医薬品を製造する際にも欠かせません。土木工事をする際に発生する汚水や汚泥を処理する際にも使われます。そのほか、新たな素材を開発する大学や企業の研究室でも活用されています。

もし遠心分離機がなければ、現代の便利な生活は成り立たなくなっています。

遠心分離機の回転数

一般的な脱水機のような遠心分離機の場合、回転数は数百回rpm(rotations per minute:回転/分)程度となっています。ただ、ウラン濃縮のような専門的な分野で使われている遠心分離機の場合は最高回転数が数万rpmにもなります。

アメロイドでは、2,000~3,000rpm程度となる中速タイプの遠心分離機から1万rpm程度になる高速タイプの遠心分離機まで用途に合わせた機器を製造しています。

遠心分離機の仕組みとは?

次に遠心分離機の仕組みを詳しく説明していきます。

分離の種類

成分や物体を分離する方法としては、「重力沈降」と「遠心分離」という2種類があります。複数の成分が含まれる液体をしばらく置いておくと重力によって自然と成分が分かれていきますが、このことを「重力沈降」と呼んでいます。

「重力沈降」は分離するのに時間がかかりますので、短時間に成分を分離させたいときには遠心力を使って分離させていきます。このことを「遠心分離」と呼びます。

遠心分離も、遠心力を使って強制的に成分を沈降させる「遠心沈降」と、遠心力を使って強制的に成分をろ過させる「遠心ろ過」に分かれます。

「遠心分離」にしろ、「遠心沈降」にしろ、複数の成分や物体が完全に溶け込んでいる場合には分離できません。

遠心分離機の仕組み

遠心分離機とは、本体内部に回転体(バスケット)を備え、それを高速で回転させることで遠心力を得る機械です。

アメロイドでは遠心分離機だけでなく切粉脱水機も製造しています。

切粉脱水機についての詳細は、コラム「切粉脱水システム・切粉脱水機の基礎知識!」をご覧ください。

 

コラム「切粉脱水システム・切粉脱水機の基礎知識!」はこちらから

遠心分離機の特長

アメロイドで製造している遠心分離機の特長をご紹介します。

FK型サイクロン

「FK型サイクロン」は、液の流れによって発生する遠心力を利用してスラッジを分離する低速タイプの遠心分離機です。フィルタなどを使用しませんので目詰りなどの心配がなく、消耗品も必要がないという特長があります。可動部分がないことから故障はほとんどせず、安定的に液中の異物を除去していきます。

 

遠心分離機 アメロイドセパレータ AS型

「遠心分離機 アメロイドセパレータ AS型」は、水や油のほか、あらゆる液体から強力な遠心力で異物やゴミを取り除く中速タイプ(3,000~5,000min-1)の遠心分離機です。

工場の製造ラインで使用される潤滑油や加工油、クーラント、洗浄液など、さまざまな液体から異物やゴミを取り除き、製品の生産性向上と品質向上を実現するほか、液体の寿命延長、廃液処理費削減を達成するものです。

異物やゴミは固形化された状態で自動排出され手がかからないので、排水処理施設の負担軽減やディーゼル燃料油重油の前処理用途など、幅広い分野で活躍するタフで高性能な遠心分離機となっています。

商品についての詳しい説明はこちら

遠心脱油機 UB型

各種水性液から油分と異物やゴミの除去を同時に行なう1台2役の遠心分離機が「遠心脱油機 UB型」です。

この遠心分離機に油と異物やゴミが混入した水性液を入れると油水分離された油は連続排出され、同時に異物やゴミは回転体内に固形化して捕捉されます。機器からは清浄化された液が排出されます。

全自動型ですので、起動スイッチを押すだけで清浄運転ができ手がかからないほか、遠心力を利用して混合物を振り分けるので、フィルタのような消耗品も必要ないところが特長です。

商品についての詳しい説明はこちら

遠心脱油機 WF型

クーラント液や洗浄液などの水性液から油を除去する高速タイプ(10,000rpm)の遠心分離機が「遠心脱油機 WF型」です。

強力な遠心力で油と水を分離できますので、エマルションも分離可能です。同時に液中のスラッジも分離でき、液をクリーンな状態に保ってくれます。本機はコンパクトにユニット化されている上に、電源があればどこでも運転可能という大変使いやすい装置です。ステンレス仕様もあり、多様な液種にも対応可能です。

商品についての詳しい説明はこちら

まとめ

高速で回転させることで遠心力を発生させて、個体と液体、液体と液体といった複数の成分や物体を分離させる遠心分離機。さまざまな用途で活用されているこの遠心分離機がなければ、現代の便利な生活は成り立ちません。アメロイドでは、さまざまなタイプの遠心分離機をご用意しています。

お問合せ・ご相談・お見積もり

ご質問やご要望などお気軽にご相談ください。

横浜
045-681-5968
東京
047-409-6130
名古屋
0566-28-7170
神戸
079-427-1361
福山
084-933-2457
福岡
092-517-3715