【実践するサーキュラーエコノミー3】廃食用油の再利用で環境と経済が循環する。ランニングコストも大幅削減! | 株式会社アメロイド

【実践するサーキュラーエコノミー3】廃食用油の再利用で環境と経済が循環する。ランニングコストも大幅削減!

2023年09月21日

ぼんち株式会社様は1931年に創業した老舗の米菓メーカーです。1960年春にその前身となる「揚小丸」を発売し、1963年に改名した「ぼんち揚」は60年以上のロングセラーです。その後も「ピーナツあげ」「ポンスケ」など、愛され続けている米菓を多く発売しています。

同社の看板商品である「ぼんち揚」「ピーナツあげ」は神戸工場様で一手に製造しているため、廃食用油の量も膨大です。この廃食用油の処理対策を考えたいとアメロイドにご相談がありました。

大量の廃食用油の処理は重労働でコストも膨大

神戸工場様では油かすの処理を毎日手作業で行なっていました。一日あたり約90㎏排出される油かすは水分を含むため、処理作業は重労働となっていました。
また、月に一度バキューム車の有料回収を依頼。蒸留処理施設ではフィルタの寿命が短く、薬品の使用量も増加しており、ランニングコストの増加が課題となっていました。

ぼんち株式会社様の解決事例紹介

アメロイドではぼんち様の課題の洗い出しから解決まで以下のように行ないました。

ぼんち株式会社様における4つの課題

4つの課題を解決するため、装置の開発がスタート

3年かけて、廃食用油の浄化システムを開発!

ぼんち様のこの4つの課題を解決するため、アメロイドでは2017年から浄化システムの開発をスタート。廃食用油、排水、残渣をしっかり分離するシステムを作るために3年間テストを繰り返しました。

そして、ついにアメロイド独自開発の“水から油を分離する技術”と“エマルション状態の油から水を除去する技術”を融合した「廃食用油浄化システム」が完成。2020年3月から本格稼働しました。

アメロイドの独自技術で4つの課題を解決

処理フローは下記イラストの通りです。廃食用油と油かすが混ざった排水を「廃食用油浄化システム」で処理し、油分と油かす(固形分)を除去します。油分と油かすが取り除かれキレイになった排水はグリストラップに戻し、油かすは残渣として専用容器に自動排出します。この処理が実現したことで4つの課題を解決することができました。
さらに、分離回収した油は水分値を0.03%まで減少させ、有価での回収の道が拓けました!

廃食用油はリサイクルセンターでの回収が実現

浄化された廃食用油は、食品工場、飲食店、スーパー、学校などを対象として回収からリサイクルを一貫して行なう浜田化学株式会社様によって回収されます。

同社が回収できる廃食用油には「水分量が限りなくゼロに近いもの」という厳しい基準が設けられています。ぼんち様の廃食用油はアメロイドの「廃食用油浄化システム」での処理により、浜田化学様の受入れ基準をクリア有価回収が実現しました。

回収された廃食用油は経験豊富なエキスパートがチェック

回収された廃食用油は、まず植物系とラード系、汚泥など油の種類・状態ごとに選別作業を行ないます。機械ではできない緻密な作業であるため、経験豊富なエキスパートが全ての回収缶を目視とニオイで毎日確認しています。

静置分離タンクで油と水をしっかり分離

廃食用油の不純物を取り除いた後は、リサイクル用途ごとに分けられ逆円錐型の「静置分離タンク」へ注入されます。タンク1基ごとに20tずつ注入された廃食用油は1時間ほど90℃で加熱された後10時間放置。その間にタンクの底にオリが沈んで水と油がしっかり分離されます

1日60〜70tの油を用途ごとに出荷

廃食用油がハンドソープへと生まれ変わる

脂肪酸メーカーに運搬された廃食用油は脂肪酸に精製されます。
これを原料にして、浜田化学様と飲食店の方々が「薬用ハンドソープ」を共同開発されました。廃油由来のハンドソープでは国内初の医薬部外品認定取得となり、浜田化学様の回収先などで使用されています。このハンドソープはアメロイド社内でも使用しており、サーキュラーエコノミーが始まっています!

日本語では「循環型経済」と訳される「サーキュラーエコノミー」(Circular Economy)とは、「円形の(Circular)の経済(Economy)」を意味するものです。サーキュラーエコノミーでは“廃棄のない社会”を目指しており、製品の製造段階から資源の回収や再利用を前提としています。

このような考え方のもと、消費された製品も再び資源化して製品にしていく循環を作り上げていきます

アメロイドは廃油・残渣リサイクルについてもご提案します

アメロイドでは廃油処理の問題解決はもちろん、廃油回収先のリサーチ・紹介も行なっています
ぼんち様の場合、装置の開発段階から水分値を先候補の回収基準値に目標設定。水分値は開発した装置により0.03%になり、廃食用油リサイクルに長い歴史を持ち定評のある浜田化学様での受入れが実現しました。

まとめ

老舗の米菓メーカーであるぼんち株式会社様の神戸工場では、廃食用油の処理に労力とコストがかかっているといった課題がありました。これらの課題をアメロイド独自開発の技術で解決。さらにこの技術で廃食用油の有価回収が可能となり、回収された廃油がハンドソープという新たな製品に生まれ変わり、サーキュラーエコノミーが実現しました。

アメロイドは液体浄化装置を通じてサーキュラーエコノミーの実現のためのお手伝いをいたします。弊社担当者がお客様の課題をヒアリングし、最適なソリューションをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

今回ご協力いただいた企業様

ぼんち株式会社様
本社所在地 大阪府大阪市淀川区三津屋中2丁目15番41号
創業 1931年6月
公式サイト https://www.bonchicorp.co.jp/
企業紹介文 1931年の創業以来、90年以上にわたり美味しいお菓子創りに全力を注いでいます。おいしさを創ることは、人や時代を豊かにするという信念を掲げ、一粒一粒のお米と真摯に向き合う「一粒主義」のもと、お客様の満足に加えて、幼い頃を思い出してほっと和めるお菓子創りを目指して取り組んでいます。
浜田化学株式会社様
本社所在地 兵庫県尼崎市東海岸町1-4
創業 1970年6月
公式サイト https://www.hamadakagaku.co.jp/
企業紹介文 1970年に廃食用油リサイクル回収事業を兵庫県尼崎市東海岸町にてスタート。環境ビジネスを通じ地球環境の改善と人類の発展に貢献するという理念を掲げています。最適な環境システムを構築し、産業廃棄物の3R(リユース、リデュース、リサイクル)の実現を通して、新しい持続可能社会の創造やライフスタイルの変革を目指して取り組んでいます。

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